サイレント・ワールド2011
オーストラリア沖で、気象観測船が遭難。乗組員は、凍結した遺体で発見された。気象学者のジャックは調査を開始、恐るべき事態を知る。異常気象によりオゾン層に生じた亀裂からマイナス70度の超低温大気が地表に降下。接触したあらゆる物を凍らせる“氷霧”により、オーストラリアは凍結。このままでは、地球は新たな氷河期に突入する。ジャックはミサイルをオゾン層で爆発させ、亀裂を修復するプランを立案するが…。
午後ローで放送されたものを録画で観ました。
トンデモ設定で突っ込みどころが満載。
それでいてそこそこに楽しめる作品だったのではないでしょうか。
- オゾンホールから中間層の冷気が大気圏に流れこむというトンデモ設定
- 触れたものを一瞬で凍りつかせる氷霧のすさまじさ
- それでいて主人公親子だけは触れても「とても寒いわ」程度ですんでしまうご都合主義展開
なんだかよくわからないけど氷霧が全てを凍り尽くします。
冒頭で日食観察のシーンがあるのですが、この日食によってダメージを受けたオゾン層に亀裂が生じ、そこから中間層の冷気が大気圏内に流れこむのが氷霧の原因なのですが……。
えっと……オゾンホールって昔から南極とかにありましたよね?
フロンや代替フロン、亜酸化窒素が規制されている今よりも昔のほうが大きかったのでは?
そもそもオゾン層の役割は有害な紫外線から地表を守ることであって、大気圏上層の冷気から守っているわけではないのですが……。
などというツッコミは全て野暮。
うわぁ、大惨事だぁとパニックシーンを楽しんでしまえばいいんですよ。
何しろ敵は触れただけで全身が凍りついてしまう氷霧。
逃げ遅れた人たちがつぎつぎと凍てついていくさまは……あれ?チャチだな…。
ま、まぁ、そのチャチさすら楽しむのがZ級の楽しみ方であります。
特に終盤の気球作戦やミサイル発射などはびっくりするほどです。
まさにアルバトロス級。
ただ、空母とか船舶とかそれ以外のものは意外とちゃんとしているんですよね。
そこはアサイラムやシネテルとは違うのだよ!
それだけに氷霧の表現とかのチャチさが目立ってしまうのかな?とも感じましたね。
ただ解決策が核爆弾でやったぜ!じゃなかったのは好評価です。
あとは主人公が最後の最後にブレてしまったのがちょっと残念でしたね。
世界の人々を救うために家族を犠牲にしてきた父親が、離れて避難している妻のことを考えず仕事に没頭しているのを娘になじられるんですね。
その時に身近の一人も大事だが、より多くの人々を救うためと言っていた主人公が、最後の最後の大事な場面で女性同僚のために仕事を投げ出して助けに行ってしまうんです。
それは無いだろと。
今まで積み上げてきた不器用だけど家族思いで真摯なキャラクターが、この行動でアレ?となってしまったんですよね。
その点が残念でした。
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作品情報
原題:Arctic Blast
制作:2010年、オーストラリア・カナダ、F G Film Productions
監督:Brian Trenchard-Smith
主演:Michael Shanks
時間:92分
トレーラー: