ソーラーストライク2012
200年前。琴座星雲で恒星爆発が発生。膨大なエネルギー波が太陽系に向け放射された。西暦2012年。人類は滅亡の危機を迎えていた。エネルギー波は太陽系に侵入し、冥王星は消滅、木星の衛星も破壊された。地球には隕石が降り注ぎ、あらゆる災厄が人々に襲いかかる。NASAのケルビン博士は大気圏外で大量の核を爆破し、放射線の防御壁を作る計画を立案するが…。
午後ローと同じテレ東の番組「サタシネ」で放送されたものを録画して観たのですが……。
これぞアサイラムと言える強烈な作品でしたね。
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あの「ソーラーストライク」シリーズの新作です!
「ソーラーストライク」
「ソーラーストライク セカンドメルトダウン」
「ソーラーストライク サードインパクト」
と三部作のうちに堂々の完結を迎えた「ソーラーストライク」シリーズですが装いも新たに帰ってきました!
ごめんなさい。全部嘘です。
完結も何も全て無関係な作品で、アルバトロスが勝手に邦題をつけただけです。
で本作についてですが……
いやぁ、アサイラム作品です。
まずそれを前提にしないと何も語れません。
だってツッコミどころだらけというかツッコミどころしかない作品なんですもの。
200年前に琴座で発生した超新星爆発のエネルギー波が地球に到達し、その影響で地震・雷・火山などの自然災害が多発しているということなのですが、なぜそのような災害が引き起こされたのかがよくわかりません。
自然災害を誘発し、冥王星を破壊してしまうエネルギー波って何ですか?
それに対して磁気圏と核ミサイルの放射線シールドで対応するというのもよくわかりません。
そもそも超新星爆発で放たれるのは大量のガンマ線ではないでしょうか?
突っ込んだら負けですか?
またそれに立ち向かう主人公たち対策チームも、狭いコントロールルームの中でワサワサと動いているだけ。
これだけの世界的危機対策プロジェクトにもかかわらず、政治がまったく介在せずに現場リーダーの主人公が全て独断で決めていくんです。
おまえはどれだけの権限を与えられているのだと。
政治家も最後にアメリカ大統領の声が聞こえるだけ。
世界の広がりが全く感じられません。
このコントロールルームのシーンの他に、避難先へ向かおうとする主人公の妻子が再三トラブルに遭遇するシーン、この2つの場面が登場するのですが、それ以外のシーンがないのでこれまた世界の広がりが感じられず、主人公の周辺だけでガヤガヤ騒動になっているような印象を受けます。
また見舞われるトラブルもおなじようなことの繰り返しで飽きてきます。
カーチェイスするシーンが唯一見るに耐えうるものでした。
結局よくわからない理論で地球は救われますが、見ているこちらは( ゚д゚)ポカーンでした。
とりあえず「俺たちアメリカ強ぇ!」って内容でした。
当然のことながらCGなどの映像表現も酷いものです。
スペースシャトルの打ち上げは資料映像の使い回し。
エネルギー波の影響でシャトルの打ち上げが失敗したシーンでは、コロンビア号の事故映像を使いまわしていたのに驚いてしまいました。
まぁ、アサイラムだからやりかねない。
筋金入りのZ級マニア以外にはおすすめできない作品ですが、逆に言うとマニアならダメっぷりを楽しめる作品でもあります。
なお「ソーラーストライク」シリーズは9月に最新作「ソーラーストライク2013」が発売されます。
こちらはアサイラム作品ではありませんが、
アルバトロスからの発売ですので推して知るべしといったところですかね?
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作品情報
原題:2012: Supernova
制作:2009年、アメリカ、Asylum
監督:Anthony Fankhauser
主演:Brian Krause
時間:87分
トレーラー: