ダメ映画レビュー

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フラッシュバック・キラー

投機に失敗した中年会計士のグラントは一攫千金を狙ってラスベガスを訪れ、コールガールのマリッサと出会う。が、それが彼の悪夢の始まりだった。グラントがマリッサとモーテルの一室にいるところに突然、ナイフを持ったマリッサの元恋人のジョーイが出現、グラントはもみあった末にジョーイを殺してしまう。2人は事件を隠蔽するため、死体を車のトランクに乗せて夜道を荒野へ向かうが、死体を埋める穴を掘った後で車のトランクを開けると、なんと死体は消えていた。ジョーイは闇に隠れて2人に復讐しようと襲ってくる。

 グラントはジョーイを探して見つけるが、彼はグラントに衝撃的な告白をする。マリッサは実は恐ろしい化物なので殺さなければならないというのだ。ジョーイの話は果たして事実なのか・・・?!

以前にサタシネで放送されたものを録画で観ました。

う~ん…いろいろとやりたいことはわかるのですが、それをうまく消化できず中途半端な出来になってしまってますね。

ストーリーをしっかり練ればいくらでも面白くなりそうな設定なのに、行き当たりばったりで撮ってるから各所で破綻してしまってます。もったいない。

 

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この映画のみどころ
  • 追われるものが追うものとなるスリリングな展開
  • 映像の質感で視点を使い分ける演出

 

登場人物はメインの3人以外ほとんど登場せず、前半は姿の見えない「追うもの」と神出鬼没な敵に恐れおののく「追われるもの」の心理劇がメインになります。

ところが後半になってある事実が明らかになり、そこからはアクションが主体になってくるんです。

 

その転換点がこの作品一番のキモであり、ネタバレしてしまうとただでさえ少ない面白みが半減してしまうのでここでは書けないんですよね。

この点についていろいろと突っ込みたいのですがここはぜひ実際の映像をご覧になってください。

 

個人的にはグラント視点の世界は明るくそれでいてザラッとした質感で、一方マリッサ視点の世界は暗くそれでいてシャープな質感で表現され、映像の質感で誰の視点から描いた状況なのかを使い分けているのは好印象でした。

ただ、前半はグラント視点が続くので映像がザラッザラで見にくいのはちょっとマイナスポイントです。

 

気になったのは映像ではなくセリフで状況を説明しようとすること。

グラントが説明セリフをペラペラ話すんですね。状況はそれでわかるのですが、一方の画がそれにあまりそぐわなかったりするのは違和感を抱かせます。

 

あとはやはり矛盾点が多いこと。

一番気になったのはホットパンツを履いていた次のシーンではジーパンに履き替えていたところ。

もうちょっと考えましょうよ……。

 

いろいろ突っ込みどころは多いですが、モチーフというか設定は嫌いじゃない作品です。

それだけにもったいない。

 

ちなみにこの作品、公開週の興行収入がたったの20ドルという記録を持っているのだとか。ですよねー。

 

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作品情報

原題:Zyzzyx Rd

制作:2006年、アメリカ、Zyzzyx LLC

監督:John Penney

主演:Leo Grillo

時間:90分

トレーラー: