ダメ映画レビュー

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新アリゲーター 新種襲来

野生のアリゲーターが多く生息するルイジアナ州の湿地帯。

その近くに住む一家は、密かに化学物質を川に廃棄していた…。そしてある日、ワニを捕獲しようとした男が、とんでもないモンスターに襲われる!!

それは巨大化し棘のあるしっぽを持った、新種のアリゲーターだった! 男は無残にもアリゲーターに丸飲みされてしまい、居合わせた警察官が銃で応戦を試みるが…。

新種のアリゲーターは次々と出現し、容赦なく人間を襲う!

3月に午後ローで放送されたものを録画で観ました。

Z級モンスター・パニックの王道を行く作品ですね。

あまりの展開に見ていて頭がクラクラしてしまいました。

 

この映画のみどころ
  • 人がワニに変化するというコンセプト
  • 典型的なレッドネック(白人保守貧困層)として描かれる村人たち
  • それでいいの?とツッコミを入れてしまう予想外のエンディング

 

ワニが登場するパニック映画というのはいろいろあると思います。

その中でもこの作品は異彩を放っているとおもうんですよ。

というのも、そのワニというのがなんと人間が変化したものなのですから。

 

そもそも新種のアリゲーターが発生した要因が毒々しい青色をした謎の化学物質という段階でかなりのトンデモなのですが、さらにそのワニの肉を食べたり、ワニに傷をつけられるとその人もワニに変化してしまうのです。

 

尻尾が生え、皮膚が鱗となり、目が爬虫類のそれとなっていく過程を描写しているのですが……常識的に考えて、どうやったって人間が爬虫類になりっこないのですが、そこは深く考えたら負けなのがZ級のお約束ということで。

 

このワニなのですが、特徴的なのが首のまわりが赤いこと。

これってレッドネックのメタファーだと思うんですね。

というのも、舞台となっている湿地帯の人たちが男も女も典型的なレッドネック。

 

無知で粗野で、それでいて地元の縄張り意識だけは強い。

法律よりも銃がモノを言うと思っている。

そんな風に描かれているんです。

 

これって作り手側の偏見とまでは言いませんが、ステロタイプな「田舎者」という意識が影響しているように感じられました。

 

ストーリーはもう完全にご都合主義。

というか登場人物たちの言動がなにもかも矛盾してしまってます。

 

主人公である都会帰りの女子大生は、「動物を食べるのも殺すのも嫌」と言いながら嬉々としてワニ狩りをしています。

物語冒頭でワニに襲われて怪我をした犠牲者は、救急車で運ばれたにも関わらずなぜか次のシーンでは再び岸辺に現れてワニに串刺しにされます。

ワニ猟解禁日前の密猟を注意した保安官はなぜか一緒に密猟をしてワニに襲われます。

父親がワニになってしまったことを知った主人公は「ワニになっても家族だ」とワニを殺すことをためらいますが、次のシーンでは嬉々としてワニを焼き殺したり轢き殺したりしています。

 

すべてがこんな具合で、でたらめなんですよ。

だがそこがマニアにはたまらない。

ツッコミを入れざるを得ないんです。

 

そしてラストシーンはまさかの展開に「え?それでいいの?というかあり?」と度肝を抜かれてしまいました。

マニアの方にはぜひともおすすめしたい作品ですね。

 

ちなみに監督はこの作品の他にも、

  • 「U.M.A レイク・プラシッド3」
  • 「紀元前1億年」
  • 「フライング・ジョーズ
  • 「ゴースト・シャーク」
  • 「スパイダー・シティ」

などの作品を監督しています。

 

なるほど。

このタイトルリストだけでどういう監督かよくわかりますね。

 

この映画を借りる

 

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作品情報

原題:Ragin Cajun Redneck Gators

制作:2013年、アメリカ、Active Entertainment

監督:Griff Furst

主演:Amy Brassette

時間:88分

トレーラー: