ZMフォース ゾンビ虐殺部隊
近未来。東欧のある都市で秘密裏に行われていた米軍による生物兵器開発。そんな中、事故が発生し、開発中の細菌がゾンビウィルスとなって蔓延、一夜にして街はゾンビだらけになってしまった! 事態を重く見た米軍は、街ごと吹っ飛ばすことで証拠隠滅を図ろうとする。この任務を遂行するべく殺しのエリートたちが大金と自由をエサに雇われる。リーダーには優秀な軍人として活躍しながらも仲間を殺した罪で服役中のジャック・ストーン。メンバーは爆弾のエキスパート・マッケラン、伝説的スナイパー・ドラガン、最強の女剣士・イーデン。作戦はゾンビがうごめく街に潜入し、市街中心部の主要施設に核爆弾を仕掛け1時間以内に脱出すること。1時間を過ぎれば問答無用で核爆弾起動だ! ジャックたち傭兵部隊はゾンビに支配された街に潜入するのだったが…。そこは想像を絶するゾンビ・カオス状態、さらにはアメリカが画策する非情な陰謀がジャックたちに襲い掛かる! はたして彼らは、この史上最速の電撃作戦を遂行し無事脱出することが出来るのか! ?
みんな大好きウーヴェ・ボルことボルちゃんの作品です。
手に入れてからなかなか見る機会がなかったのですが、気合を入れて見てみましたよ。
えぇ、いつも通りのボルちゃんらしい作品でした。
- 監督ではないにも関わらず作品全体に感じられるボルちゃんらしさ
- ボルちゃん演じるアメリカ大統領の胡散臭さ
- 緊迫感ゼロ!のんびりゆっくりのアクションやバトル
- 唐突なおっぱい登場からの驚愕?予想通り?のラスト
ボルちゃんといえばゲームの映画化、ゲームの映画化といえばボルちゃん。
この作品も1998年にリリースされた「Zombie Massacre」というゾンビシューティングゲームが基になっています。
本当にゲーム大好きですね。
とはいっても、ボルちゃんは監督は若い二人に任せ、企画とプロデューサーを担当。
実際の制作にはノータッチのようです。
しかしそこはボルちゃん。
作品全体に「アローン・イン・ザ・ダーク」などで感じられたような絶望的なまでのゆるさが漂っているんですよ。
陰鬱な雰囲気を演出したいのでしょうが、ただ単にタルいだけ。
「デス・リベンジ」などで見せた「ボルちゃんやるじゃん」という驚きは皆無です。
そのかわりに俳優としてのボルちゃんをこの作品では見られます。
なんとボルちゃん、アメリカ大統領役で出演しています。
役作りも何もなく素のボルちゃんそのままじゃないですか……。
そんなボルちゃん作品ですので肝心のアクションもゆるゆる。
この作品のゾンビはゆらゆら歩き回るタイプではなく、「28日後」のように全速力で走り寄ってくるタイプのゾンビ。
押し寄せるまではたしかに迫力があるのですが、いざバトルとなるととたんに動きがゆっくりに。
まるでスローモーションを見ているような安心安全なアクションは爽快感も緊迫感も全くございません。
ゾンビとのかったるい息詰まる銃撃戦のさなか途端に昔語りを初めてしまうことも。
ストーリーもあらすじで推して知るべし。
シーンのつなぎも意味もなく時間軸を前後するので、現実なのか回想なのかわからなくなってしまいます。
さすがボルちゃん、映像の原則なんてガン無視です。
そんな中頑張っていたのはゾンビの造形。
これはそれなりでしたね。
そのあたりしか褒めるポイントが無いんですけどね。
グダグダな展開が続き、マッチョなゾンビがかき回してめでたしめでたし……。
かと思ったラスト。
これまで全くご縁のなかったおっぱいが唐突に登場いたします。
それも複数。
たわわ……でもないな。
そしてそこからの展開は……びっくり半分知ってた半分でしょうか。
むしろ、展開よりも登場人物の方に驚きました。
お前が美味しいところを持っていくのか!と。
どういうことなのか気になる方は是非ご自分の目でお確かめ下さい。
もちろん自己責任で。
なお、この作品2015年に続編「Zombie Massacre 2: Reich of the Dead」が制作されています。
第二次大戦中にナチスの生み出したゾンビ兵器と米軍が戦うという、いかにもボルちゃんが好きな展開。
こちらも楽しみですね。
日本国内の発売はあるのでしょうか?
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作品情報
原題:Zombie Massacre
制作:2013年、イタリア/アメリカ、Event Film Distribution
監督:Luca Boni, Marco Ristori
主演:Christian Boeving
時間:87分
トレーラー: