ゆきゆきて、神軍
パワーがあるといえばこちらもパワーがある作品。
ドキュメンタリーとは銘打っているものの、内容はバラエティ。
同僚を銃殺刑に処せられた奥崎氏の怒りもわかるのだが、その解決方法が想像のはるか斜め上をいっている。
最終的には元上官の息子を銃撃し懲役刑をくらっている。
戦友の死の真実を知りたいというのは美談に聞こえるが、むしろ、自らの欲求不満解消の口実にしているようにしか見えない。
事実、元上官たちと面会するのに同道していた戦友の遺族を、「考えが合わない」という理由で同行を勝手にやめ、知人や妻を遺族にでっち上げている。
こうやってアナーキーでトンチキでぶっ飛んだ壊れたオッサンを、端から(・∀・)ニヤニヤ見ているかぎりではおもしろいが、絶対に関わり合いにはなりたくない人間。
彼をメインに置いたことで、戦争の残虐性のようなものがすっぽり抜け落ちてしまっている。