PLANET OF THE SHARKS 鮫の惑星
「シャークネード」シリーズなどでおなじみのアメリカのB級映画製作会社アサイラムの製作で、獰猛なサメの大群に支配された近未来の地球を舞台に描いたSFパニックアクション。温暖化で氷河が融解し、地表の98%が海に覆われた近未来。今や獰猛なサメたちが生態系の頂点に立ち、生き残ったわずかな人類は基地や船上で細々と暮らしていた。しかし、さらなる水温の上昇で海中までもが食糧不足に陥ったことから、サメたちは人間を狙いはじめる。人間はサメとの対決を前に準備を進めるが、その一方でサメたちは次第に統率のとれた行動をとるようになっていく。
年のはじめのお楽しみ。
今年も「未体験ゾーンの映画たち」を見てまいりました。
一昨年から3年連続でのサメ映画となる今回は「PLANET OF THE SHARKS 鮫の惑星」。
勢い込んで初回上映を見てきたのですが、予想外に観客が多くてびっくりしました。
まさに選ばれた民ですね。
映画に関してはいつものアサイラム作品でした。
えぇ、それはもう安定のクオリティで。
- サメがヒャッハーする世紀末な世界観
- アサイラムらしいサメのCG
- サメに食べられそうでギリギリ食べられないスリル
鮫の惑星。
似たようなタイトルの映画と同じように、人間に変わってサメが地球上の支配者となった世界が描かれています。
それはもう物語冒頭から暴れまくり。
襲い来るサメから逃げ惑う人間の姿はまさに世紀末。
ヒャッハーしているのがモヒカンやスキンヘッドではなくサメというだけのお話です。
人口が激減して筏のような海上都市で暮らしている人間たちは、ヒャッハーしているサメに対してサメ退治の謎の踊りと粗末な銛で対抗しています。
それだけをみると科学技術をい未開社会に退化しているようにも見えますが、実際にはロケットがあって、コンピューターもあって、プレジャーボートもあって……とそこそこ技術は残っているんですよね。
このあたりの世界観の整合性がしっかりしていないのはアサイラムらしいですね。
襲ってくるサメですが、なんと他のサメを電気でコントロールする謎の能力を身に着けています。
なにそれすごい。
サメの頭部には微弱な電流を感知するロレンチーニ器官という小さな穴が空いていて、この器官を使って餌となる動物の筋電位を感知したりできるのです。
今回登場するボスサメはそのロレンチーニ器官が異常発達し、そこから発する電気信号で他のサメを操っているのです。
それはもうホオジロさんもノコギリさんもシュモクさんも種の違いを問わず操られちゃってます。
なにそれすごい。
ロレンチーニ器官がうっすらと青く光って表現されているのですが、そこはアサイラム。
皆さんご想像どおりのクオリティです。
シャークネードフィンにチェーンソーで切られてピクピクしているサメを思い浮かべていただければだいたい正解です。
アサイラムだけに科学技術の描写もテキトーです。
物語の終盤では、HARRPを火山に打ち込んで噴火させてサメを退治しようとするのですが、その起動は古いDELLのコンピュータですし、接続も何やら力技。
シャークネード2のよくわからないケーブル接続を思い出してしまいました。
海面上昇解決策のロケット発射もとんでもない方法で行われます。
その発想はなかった。
そうそう、私が一番笑ったのは、カイトボードでサメから逃げるシーン。
ボスザメが空高くジャンプして襲ってきて、「あ、これは食われるわ」と思いながら見ていたのですが、一度目はカイトで高く飛び上がって避けます。
しかし執拗に追うサメ。
二度目は確実に食われた。
そう思ったのですが、食われたのはサーフボードだけ。
お約束的には食われるシーンだと思うのですが、ギリギリのラインで生き残るところに爆笑してしまいました。
その他、チェーンソーならぬ脇差しでサメを一刀両断とか見どころ満載。
現在ヒューマントラストシネマ渋谷で1/18、1/19、1/20、1/24、また、シネ・リーブル梅田では1/28、1/31、2/3、2/6と上映がありますので、興味を持った方は是非ご覧になって下さい。
ちなみにこの作品の監督が手掛けた他の作品には「ビーチ・シャーク」「バトル・オブ・ロサンゼルス」があります。
あっ……
この映画を借りる
その他のレビュー済みダメ映画はこちらからどうぞ
作品情報
原題:Planet of the Sharks
制作:2016年、アメリカ、Asylum
監督:Mark Atkins
主演:Brandon Auret
時間:86分
トレーラー: