トリプルヘッド・ジョーズ
3つの頭を抱えた巨大サメが迫り来るモンスターパニック。海洋生物学を専攻するマギーは、水深800mに位置する研究所に入所する。ところが到着早々、3つの頭を持つ巨大サメが施設に体当たりをし始める。即座に緊急避難命令が出されるが…。
「シャークネード エクストリームミッション」とともにニコ生で日本国内最速上映されたものを見ました。
う~ん……「シャークネード」の突き抜けた馬鹿さかげんに比べると「それなりの作品に見せたい」という欲みたいなものが見えてしまっています。
そのために見ていてイマイチ乗りきれないところがあったのは否めませんでした。
- 3つの頭で3人を同時にパクっと喰らう衝撃
- 水深という概念の存在しない世界観
- 理解の範疇をはるか斜め上に越えていく登場人物たちの無意味な行動の連続
- 明らかに編集ミスでシーンの前後が繋がっていないクライマックス
まず驚いたのがサメの造形。
これはアサイラムなのか?と疑うくらいにCGがよく出来ているんですよ。
大口を開けて迫り来るシーンは、「シャークネード」の明らかに作り物なものとは全く違います。
そのサメが3つの口を大きく開き、3人を同時にパクっと喰らうシーンはこの作品の肝と言っていいと思います。
これは本当に見応えがあります。
しかし、そのサメが出没するシーンの設定はガバガバ。
人間よりもはるかに大きいサイズにもかかわらず、腰までの深さしか無い浅瀬に背びれをみせることなくひっそりと隠れています。
どうみてもサイズ的にありえません。
また、前述の浅瀬からジャンプして3人をパクっと食べるシーン。
巨大なサメがほぼ垂直落下で頭から食らいつくのですが、浅瀬だけにそのあと海底に突き刺さりそうなものですが、次のシーンでは悠然と泳いでいます。
おそらく水深という概念が存在しない世界なのでしょう。
ならしゃーない。
ガバガバと言えば登場人物たちの行動も何がしたいのかよくわかりません。
あんなシーンも撮りたい、こんなシーンも入れたいと盛り込んだ結果なのでしょうか?
ことごとく無意味な行動、それも事態を悪化させる行動しかとりません。
例えば深海の研究所のある環礁から逃げようとするシーン。
地上にあがったものの、脱出用の船が流されてしまっています。
そこで誰かが危険を犯して泳いでいって、船を岸に近づけなければいけない状況になっています。
そこで、主人公の元カレが仲間の反対を押し切って船まで泳ぐのですが、泳ぎ着いたところで「エンジンが壊れてるんだった!俺には直せない」と頭を抱えます。
お前は何がしたかったのかと突っ込みたくなりますが、おそらく突っ込んだら負けです。
このような無意味なシーンが中盤以降ずっと繰り返しなのです。
海に落ちてサメに食われるパニックシーンも、どうみても自分からダイブしています。
見ていて「えーかげんにせーよ」となります。
そしてクライマックスにこの作品最大の謎が発生します。
ダニー・トレホ演じるマックスが、マチェーテで真ん中の頭を切り落とします。
その後しばらく陸上でのシーンが続くのですが、そこでおかしなセリフがあるんです。
「4つ首だか5つ首のサメ」
ん?どういうこと?
次のシーンでは、切り落とされたところから小さな頭が3つ生えてるサメが泳いでます。
ん?あれれ?私寝てましたか?
巻き戻して確認してみますが、やはりサメに頭が生えるようなシーンはありません。
肝になりそうなシーンがまるまるカットされてしまい前後が繋がっていないのです。
これがニコ生配信時に起きた手違いなのか、パッケージの段階でミスってしまっていたのか、はたまた元から繋がっていなかったのかはわかりません。
アサイラムだけに最後の可能性も十分に考えられます。
なんにせよ、Z級モンスターパニックムービーで一番美味しいシーンがカットされているのは非常に残念です。
最後に残念なお知らせです。
「ダブルヘッド・ジョーズ」では私好みのきれいなおっぱいがありましたが、今回はどいつもこいつも寸止めプレイ。
ノーおっぱいで映画終了しております。
まぁ、犬の垂れ耳みたいなのを見せられるのよりはマシか……。
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作品情報
原題:3 Headed Shark Attack
制作:2015年、アメリカ、Asylum
監督: Christopher Ray
主演:Karrueche Tran
時間:89分
トレーラー: