ダメ映画レビュー

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バトル・オブ・ロサンゼルス

ある日、直径数キロにおよぶ巨大な未確認飛行物体ロサンゼルス上空に飛来した。空軍が出撃するが、迎撃舞台は潰滅してしまう。激戦が続く中空軍基地に第二次大戦時の戦闘機が着陸し、操縦していたのは1942年の“ロサンゼルスの戦い”で行方不明になっていたロジャース大尉だった…。

午後ローで放送されていたのを録画して観ました。

アサイラムの本領発揮といえる作品でしたねぇ。

見ている時間がとっても長く感じてしまいました。

 

 

この映画のみどころ
  • 最初から最後まで正体が謎のままの敵
  • 日本刀で敵をバッサバッサと斬り倒す女兵士
  • ロサンゼルスと言いながら荒れ果てた荒野しか登場しない舞台背景

 

ダメ映画によくある特徴の一つとして、映像がしょぼいのでそれだけでは何をしているのかわからず、それを補うべき台詞も説明不足で叫んでいるだけ。

結果として登場人物たちが何をしているのか何をしたいのかさっぱりわからないというものがあります。

この作品もまさにそう。

映像が何を映しているのか、登場人物たちがなにをしているのか、支離滅裂でさっぱりわからないんです。

 

開始早々に敵が登場するのですが、彼らが何ものなのか前置きもなくいきなり戦闘シーンから始まるのでさっぱりわかりません。

その後舞台が地上基地に移りますがロサンゼルスとは思えない荒野で、冒頭の都市部の戦闘シーンとの連続性が全くありません。

さらに登場する役者は、次から次に現れてはUFOに驚く同じような棒演技を繰り返す大根揃いです。

 

そのうち1942年のロサンゼルスの戦いからタイムスリップしてきたパイロットが現れます。

突然出現した敵に関し、彼がなんらかの鍵を握っていると思われるのですが、おもわせぶりな演出が続きながら結局よくわかりません。

ちなみに「ロサンゼルスの戦い」とは1942年2月25日に実際に起こった事件。

日本軍の空襲があったと勘違いした陸軍が虚空に向かって対空砲火を行った事件で、日本軍と誤認された謎の飛行物体はUFOだったのではないかとオカルトのネタになっています。

作品中でタイムスリップしてきたパイロットは出撃した日を2月13日と言っていますが、それは日付がずれているんですよね……。

 

オカルトのネタはさらに登場。

UFO関連の政府委員会ともいわれるマジェスティック12(MJ-12)が、パイロットの保護に乗り出します。

でも、この時の会話もまた変。

パイロットを第七地区に護送しろと言ってます」

「第七地区?マジェスティック12か!すごい実在するんだ!」

なんで第七地区というだけでマジェスティック12を連想するんでしょう?

そもそも第七地区=マジェスティック12と知っているなら、マジェスティック12が実在していることを知っていることになるので驚かないでしょうし。

 

さらにさらに保護に来たMJ-12のメンバーが輪をかけておかしい。

ラバースーツに日本刀だけを持って、襲い来るUFOをバッサバッサと切り倒していくんです。

この時点でついていけるひとはかなり絞られると思います。

 

この後もよくわからない会話とよくわからないしょぼい映像が延々と続き、よくわからないうちにボスをやっつけ、よくわからないエンディングを迎えます。

そんな見ているだけで疲れるこの作品、実は監督、脚本、編集、撮影を一人でやっているんです。

なるほど、そういうことですか……。

以前にもそんなダメ映画を観ましたね。

納得のひどさ。

とにかく無駄なタメが多いんですよ……。

そこでタメなくていいからとっとと先進めと何度画面に突っ込んだか……。

 

Z級映画マニアでもかなりのダメージをくらうかもしれません。

御覧になる場合はそれを覚悟の上でお願いいたします。

 

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作品情報

原題:Battle of Los Angeles

制作:2011年、アメリカ、Asylum

監督:Mark Atkins

主演:Kel Mitchell

時間:91分

トレーラー: