デビルマン
永井豪原作のコミックを実写化。人類存亡の危機の中、苦悩しながらも人間を守ろうと戦うデビルマンの姿を描く。出演は伊崎央登、酒井彩名、渋谷飛鳥ほか。PG-12作品。
聞きしに勝る迷作。
しかとこの目に焼き付けました。
辛かった……。
- 論理破綻という言葉では言い表せない矛盾点だらけの脚本
- 映像の原則を何一つわきまえていない自分勝手で理解不能な演出
- 棒演技という言葉では言い尽くせない素人俳優の学芸会
- その3つが渾然一体となって織りなすスペクタクル
- あーオレ、デーモンになっちゃったよー
今まで数多のZ級映画を見てきた私ですが、この映画は本当に見るのが辛かったです。
笑いどころが全く見当たらず、ただただ辛い。
1日で見ることができずに2日がかりでようやく見終えました。
この映画を「北京原人 Who are you?」や「シベリア超特急」シリーズと並び立てるのは、間違いだと思うんですよね。
これは「幻の湖」と同じタイプのダメ映画。
観ていて楽しくない。
「北京原人」や「シベ超」は本当にダメ映画ですが楽しい映画でしたもの。
脚本は矛盾点だらけ。
前後のシーンが論理的につながらないことが多く、まるでオムニバスで別々の作品を見せられているようでした。
え?どうしてそうなるの?
え?何で今そんなことを言うの?
え?それは1時間ほど前に自分で言ってたのになんで驚くの?
などなど突っ込みどころは山のように現れます。
そもそもなぜ明とミーコだけが人間の心を持ったまま悪魔になったのか、そのあたりの描写が皆無なのでモヤモヤします。
調べたらこの作品の脚本って監督の奥さんが書かれているんですね。
監督の嫁が脚本……これはガンダムSEいやなんでもない。
そんな脚本に輪をかけてひどい演出。
マシンガンを持ちながらなぜか遠方からしか撃たず、接近戦になると銃を剣に見立てて突撃するデーモン特捜隊。
同じシーンなのに昼になったり夜になったり、海になったり山になったり。
とにかく行き当たりばったりで撮ってる印象は否めません。
もう少し考えて撮ってみてはどうでしょう?
さらに追い打ちを掛けるように主役2人の素人俳優の演技が壊滅的です。
もともと音量の設定が小さい上に滑舌が悪いので何を言っているのかよく聞き取れません。
特に感情を露わにするシーンでは棒演技に磨きがかかり、そちらにばかり気を取られてしまい内容がさっぱり入ってきません。
まぁ、入ってくるだけの内容もありませんが。
さらに変身後はVFXの映像にアテレコをしているのですが、「たー」「とー」「うあー」と気の抜けたような声が連続し、一昔前の格闘ゲームのような映像とあいまってガッカリ感が半端ないです。
いったい何をやりたかったんだろう?
見終わったあとにそんなことを考えさせられる映画でした。
怖いもの見たさでも近づかないほうがいい。
今回もまた勉強になりました。
見たものの心に深い傷口を残す作品を作り上げてしまった監督と脚本夫妻ですが、
こちらのDVDで自らの作品を自画自賛しているとか。
(;´∀`)…うわぁ…
これも見たほうがいいのかなぁ……。
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作品情報
制作:2004年
監督:那須博之
主演:伊崎央登
時間:115分
トレーラー: