ダメ映画レビュー

愛すべきダメ映画のレビューを書いてます

宇宙戦争2008

20XX年、地球はカルクー星人の攻撃にさらされていた。UFO編隊の猛威の前に、人類はエイリアンの軍門に降る。カルクー人の要求は800万人の生贄。伝染病に苦しむカルクー人は、血清となる地球人の血液を必要としていた。抽選で選ばれた犠牲者たちは、次々とUFOの母船に収容されてゆく。娘を連れ去られたチェイス博士は奪還を決意。レジスタンスと手を結び、ある計画に着手するが…。

  

アルバトロス発売のトム・クルーズが出ないほうの宇宙戦争です。

ネット上のレビューではかなりの酷評を集めているようですが、私はそれほど酷い作品とは思いませんでした。

タイトルからしてかなりきつい作品であるを覚悟していたのですが、どうしてどうして劣化版スタトレ風味で普通に楽しめるB級といった感じでしたね。

まぁ、他に見ている作品がもっと酷すぎるというのもあるのですが。

 

人間に似たエイリアンというのは、非現実的な安易な設定だし、あからさまな予算削減策というのはわかるのですが、下手にチャチなCGや着ぐるみを使うよりはマシだったのではないでしょうか。

 

また敵となるカルクー星人にも、母星の病魔に苦しむ人々を救いたいという大義名分があり、そのためには自らの危険は省みないなど、単なる勧善懲悪エイリアン討伐ではないところも、ハリウッドらしからぬ印象を受けました。

病魔の子供が救われたことに喜びながらも、その子供に二度と会うことは出来ない任務に身を投じた悲しさなど、よく表現できていました。

小道具や宇宙船などのCGはたしかにショボく、ご都合設定であることは否めませんが、それでもあまりそういった欠点が気になることなく見ることが出来ましたね。

 

総じて前半は「なかなかいけるじゃん」などと思いながら見ていたのですが、後半になると大味というかアレレ?と思う部分が増えていってしまったのが残念。

ドラマのように尺を短くして45分くらいでもよかったかもしれません。

 

ラストは結局、勧善懲悪の派手なアクションでラブロマンス誕生と、いかにもなハリウッド映画に成り下がってしまったのが非常に残念。

主人公の娘の特別血清があれば地球人の拘束は不要と考えていた、カルクー穏健派の司令をうまく使えれば、もっと厚みのあるストーリーになっていたかもしれないのに…。

カルクーが一枚岩ではなく、穏健派や強硬派に分かれていることを、途中で何気なくほのめかしていたのに、まったく有効に使うことができなかったなんて……。

残念だ。残念すぎる