GOEMON
『CASSHERN』で巧みな映像技術を駆使し、話題を呼んだ紀里谷和明監督の長編第2作。舞台は天下統一を成し遂げた豊臣政権真っ只中の世。平安は訪れたものの庶民は困窮し、それを見かねた大泥棒・石川五右衛門は盗んだ金品を貧しい人に分け与えていた。
興味本位でうっかり観てしまった作品。
凄い凄いと噂には聞いていましたが、本当に凄い作品でした。
斜め上方向に振り切っちゃった作品として。
もう見ているだけでぐったりです。
以前に見た「K-20」みたいな感じのアクション映画なのですが、比べるのがおこがましいほどこちらは表現が稚拙。
まるでゲーム画面のようなマンガ的な表現でリアリティに欠け、非常に素人くさい印象を受けます。
アクションシーンを何も考えずに楽しむということも許さないくらいの、強烈な違和感が画面全体から漂います。
ストーリーなどは言うに及ばず。
中二病の子が深夜に「俺すっげぇカッコいい物語思いついた!」と言ってるレベル。
舞台を「近世の日本」としておきながら、
時代考証、風俗考証、地域考証など完全無視の「俺設定」。
およそ日本とは思えない「フジヤマゲイシャ」に代表される、「西洋人が勘違いしている日本像」的世界が広がります。
物語、フィクションなのだから嘘八百なのは構わないんです。
歴史を捏造してもまぁ、いいでしょう。
でもそこには最低限の「嘘八百のリアリティ」を落とし込まなきゃいけないんです。
それがまったくない。
本当に好き勝手に作ってしまっている。
それが見ていて本当にイライラを募らせます。
きっと本人は、
「こんな斬新な映像をつくちゃった俺ってカコイイ」
とでも思っているのかもしれませんが、
「あんたには才能ないからやめといたほうがいいよ」
と言ってあげるのも彼のためだと思うのですが・・・。
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