ダメ映画レビュー

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エアポート2014

火山群の猛威の中を飛ぶジェット旅客機に未曽有の脅威が襲い掛かるスカイパニック。穏やかに飛んでいた旅客機の電子機器が突如シャットダウンする。目の前に現れた暗雲を抜けた機体が抜けると、そこには炎を噴き上げる火山群が広がっていた。

先月に開催されたアサフェスでも上映された作品です。

(参照記事:「狂乱の宴「アサイラム・フェスティバル」の上映スケジュール決定」)

今月からレンタルが開始されたので早速観てみました。

うん、とってもアサイラムです。

 

 

この映画のみどころ
  • 海中からニョキニョキと現れる火山島
  • 飛行中にジェットエンジンを修理するスペクタクル
  • 火山と戦闘機の大バトル

 

舞台となる飛行機は外観からして中型機くらいの大きさに見えるのですが、登場する乗客は20人足らずしかおりません。そのうち活躍シーンがあるのは6~7人ほどで残りは単なるモブです。登場するCAもひとりしかおらず、描かれる世界が本当に狭いんですね。

 

また、災害に対応するのもハワイの一部隊のみ。

こちらも20人足らずしか隊員がおりません。

災害のスケールと描かれる世界のスケールがつり合わないのはアサイラム作品の特徴と言えるかもしれません。

 

それにしてもこの火山活動がすごいんです。

あっというまに噴火してあっというまに溶岩流が押し寄せあっというまに島ができてしまう。

まるで植物の成長を早回しで見ているかのようにニョキニョキと海から島が生えてきます。

 

その噴火の影響もすさまじいのですが、やはりそこはアサイラム

緊迫感やスピード感が皆無なんです。

途中機外に出て飛行中のエンジンを修理するという尋常な神経では考えられない行動にでるのですが、手に汗握るハラハラどころか緊迫感の無さからダレている印象しかありません。

 

そんな中で見どころになるのは終盤、飛行機を救出に戦闘機が向かうシーン。

押し寄せる岩石!それをミサイルや機関銃で迎撃する戦闘機!

原題の「Airplane vs Volcano」というタイトルは伊達ではありません。

そのありえない戦闘シーンは必見です。

 

しかし、作品をみて大きな疑問がわいてきます。

この作品では劇中ずっと飛行機は火山帯の中を飛び続けているんです。

エンディングまでずーっと。

飛行機の時速を遅めの600kmと推定しても火山帯が900キロ近くにわたって続いていることになってしまいます。

舞台となったハワイ諸島全体でもせいぜい400キロ圏内にすべてがおさまってしまうので、どんだけ火山帯が続いているのだということですよ。

自動操縦を解除してコンパスが故障したとしても火山帯の中を飛びすぎだろうと。

そういう辻褄のあわないところにアサイラムらしさが現れていますね。

 

それでも、アサイラムのパニック作品の中では楽しめた部類の作品だと思います。

興味を持たれましたら怖いもの見たさでご覧になってみてはいかがですか?

 

この映画を借りる

 

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作品情報

 

原題:Airplane vs Volcano

制作:2014年、アメリカ、Asylum

監督:James Kondelik

主演:Dean Cain

時間:91分

トレーラー: