ダメ映画レビュー

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エアポート2012

航空管制でのミスの急増により、各航空機に衛星システムを使い自動的に危険を回避する装置ACATが設置された。しかし、ACATの衛星が故障するという事件が勃発する。通信も処断され孤立したジェット旅客機と大統領が搭乗する“空の要塞エアフォースワン。2機は同高度で飛んでおり、数分後には航空機の正面激突という絶体絶命の危機が迫っていた…。

航空パニックならとりあえず「エアポート」ってつけとけばいいんだろ。

そんなアルバトロスの声が聞こえてくるようなエアポートシリーズの一作です。

さすがアサイラム作品と言えるクオリティでした。

その意味は…もうお分かりですね?

 

  

この映画のみどころ

ストーリーは自動管制操縦システムであるACATシステムが暴走したエアフォースワン、ACAT衛星落下の影響(たぶん。だって詳しい状況は劇中で表現されてないんですもの)で電子機器が使えなくなりエンジンまで停止した民間機、そしてその衝突を食い止めようとする地上の管制官の3つの視点から描かれます。

しかしそこはアサイラム作品。

描いているスケールが狭いことこの上ない。

管制室は砂漠の掘っ立て小屋にしか見えませんし、大統領の危機なのに対応するのは一部隊だけ。そもそもエアフォースワンに乗り込んだ護衛が2人しかおらず、ふたりともACATの暴走で部屋に閉じ込められるというていたらく。

なんとも世界が狭いんですよね。

 

物語の肝になるACATシステムもどのようなシステムなのかほとんど説明のないまま話が進みますし、管制官の制止を振り切ってエアフォースワンを強引に離陸させた担当者も誰なのかわからないまま。

そもそも衛星の打ち上げにはスペースシャトルを利用しているので(もちろん資料映像の流用です)、多くても2機程度しか打ち上げられていないのですが、何機も何機も落ちてきます。

でもアサイラムだから仕方がない。

 

暴走したACATシステムは周囲の航空機をテロリストと判断して自動的にミサイル攻撃を始め、民間機にも着弾し機体に大きな穴が空いてしまいます。

え?エアフォースワンにサイドワインダーミサイルが搭載されてるの?

ところがどっこい民間機はその穴をなんと乗客の手荷物で塞いでしまうではありませんか。なんということでしょう。

でもアサイラムだから仕方がない。

 

それ以外にも航空機が風力発電で飛行したり、コパイロットが仕事中にコックピットを離れて女性CAを口説きに行ったり、アルミを巻いたら電波が強くなったり、輸送機から救出隊が乗り込むシーンが描かれずカットが変わったら唐突に機内に隊員が現れたり、エアフォースワン接触して民間機の屋根が吹き飛んでも垂直尾翼は無傷だったり、今まで何をやっても開かなかったコックピットへの扉がクライマックスでは唐突に開いたり、ツッコミどころは山ほどあります。

そのツッコミどころを笑って楽しめる方にはおすすめの作品だと思いますよ。

 

この映画を借りる

 

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作品情報

 

原題:Air Collision

制作:2012年、アメリカ、Asylum

監督:Liz Adams

主演:Reginald VelJohnson

時間:92分

トレーラー: