ダメ映画レビュー

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スペース・ウォッチ

月からの侵略者の存在を主張する主人公と、彼を精神異常と判断した警察が、想像を絶する異空間へと引きずり込まれていくSFドラマ。少年時代に“ムーニーズ”に拉致され、洗脳的恐怖を与えられたまま成長したサイモンは、侵略を防ぐため電波塔に登る。

 

Gyaoの無料配信で見た映画です。

カテゴリ的には「SF・アクション」に入っていたのですが、内容的には「サスペンス」といったほうがいいかもしれません。

 

宇宙人に恐怖する主人公、彼を護送する刑事、刑事の妻、その妻と不倫する同僚、登場人物のほとんどが壊れています。

そんな壊れた人達ばかりが出てくるせいなのか、脈略のない突発的な行動が多すぎて、見ていてさっぱりわけがわからない映画でしたね。

 

伝えたいメッセージというものは分かるんです。

ネタバレになってしまうのですが、実は主人公が恐れている宇宙人とは幼少時代に彼を虐待した叔父で、その虐待を宇宙人による拉致洗脳と思い込むことにより、なんとか生き延びてきたという背景がラストに明かされます。

そういった虐待を受けて心を壊した人の見る世界を、その視点のままに描こうとしているのでしょう。

だからこそ、ボーダーラインの此方側の人間には、辻褄が合わなかったり、時間軸が交差してわかりにくかったり、脈略のない行動の連続になるのかもしれません。

 

ラストのメッセージが重いだけに、その演出の意図するところもわからないではないのですが、もう少し見ている人間が理解できるようなやり方もあっただろうと思ってしまいました。

 

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作品情報

 

原題:Pale Blue Moon

制作:2003年、アメリカ、Shoreline Entertainment

監督:Mark Hosack

主演:Íce Mrozek

時間:86分