ダメ映画レビュー

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北京原人 Who are you?

日本の科学チームは、太平洋戦争開戦時とともに中国本土から紛失した北京原人の骨をひそかに入手し、そのDNAから北京原人の親子を現代に甦らせることに成功。しかし、その存在を知った中国とアメリカはその所有権を主張し……。

「幻の湖」を観た上はこちらも観なければ!と覚悟を決めて観てみたのですがところがどっこい。

これ面白いじゃないですか!(もちろんダメ映画的な面白さですがね)。

見ていてぐったりした「幻の湖」とは大違い。

これは笑わせていただきましたよ。 

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この映画のみどころ

 

なんでこんな面白い作品を今まで見逃していたのか後悔するくらい面白いです。

 

そもそも北京原人を再生させるシステムが意味不明です。

DNAを取り出して解析、そのゲノムデータを受精卵に移植する。

そこまではまだわかります。

問題はそこから先。

 

この作業は日本初のスペースシャトルの中で行われているのですが、受精卵を船外に放置して宇宙線の影響で細胞分裂を早めた上に、時間変異の粒子を反転して空間反転というトンデモSF設定が突然現れ、宇宙の法則を乱すどころか私の腹筋まで崩壊させようとしてきます。

 

よくわからないけど元のDNA保持者が年齢もバラバラに再生したよ!

よくわからないけど親子3人だよ!

よくわからないけど受精卵乗せてたベビーシャトルが地球に墜落したけどクレーター一つ開かないよ!

よくわからないけど北京原人には特殊能力があって魚を取り放題だよ!

よくわからないけど北京原人を刺激させないために服を脱いで裸になるよ!

 

なにもかもがすごすぎます。

それを大まじめに演じているのがより一層面白い。

肌色のボディースーツにシワを寄せながら熱演する本田博太郎の姿が何故か哀愁を誘います。

 

そこからはもう怒涛の展開です。

すべてのシーンに笑いのエッセンスが込められていると言っても過言ではありません。

北京原人の謎に比べたら丹波哲郎の不自然な前髪とか全く気になりません。

なぜ陸上競技大会に出場させようとしたのか。

なぜプリンセス・テンコーが突然出てくるのか。

なぜ緒形直人がセスナ機を自分で操縦して中国まで行けるのか。

なぜ佐藤蛾次郎を科学者役でキャスティングしたのか。

突っ込もうと思えばすべてがツッコミ対象です。

 

そして極めつけはウパー!!

 

これにつきます。

すごい。すごすぎる。

ここまで突き抜けたおバカ作品はシベ超以外にありえないのではないか。

この作品に出会えたことに感謝したいくらいです。

 

いやぁ、みて良かったです。

ダメ映画ファンなら絶対に楽しめることをお約束いたします。

(一般の映画ファンの方にはお勧めいたしません)

 

それにしても北大路欣也長谷川初範は「幻の湖」にもこの作品にも出演しているんですね。

北大路欣也は「幻の湖」の織田信長役と同様に過去シーンの出演ですが、

長谷川初範は主役級の緒形直人の上司役。

この両作品にメインキャスト出演とは素晴らしい。

惜しむらくはシベ超に出演していないこと。

これでシベ超出演なら数え役満だったのに……。

 

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作品情報

制作:1997年

監督:佐藤純彌

主演:緒形直人

時間:115分

トレーラー: