ダメ映画レビュー

愛すべきダメ映画のレビューを書いてます

ビーチ・シャーク

水陸両用サメが人々を襲うパニックムービー。静かな島・ホワイトサンドのビーチでパーティーを開催していた若者のひとりがサメに食いちぎられるという事件が発生する。しかし、現場は海中ではなく満潮のラインをはるかに上回る陸地だった。

砂浜を泳ぐサメが現れる。

それだけでダメっぽさがひしひしと伝わってきますが、

その期待に応えるようなダメ映画でした。

 

 

この映画のみどころ
  • 砂浜をサメが泳ぎまわるという発想
  • ジュラシック・ジョーズに勝るとも劣らない大混乱のパニックシーン
  • 予想外だけど予想通りのオチ

 

Z級映画でサメが登場する映画はよくあります。

しかしその場合陸に上がれば安全になりますが、こいつの場合はそうはいきません。

なにせよくわからない進化で砂の中でも泳ぎ回れるようになったサメなのですから。

 

Ω ΩΩ< な、なんだってー!!

 

砂浜の中から突如現れてガブっと食べていきます。

だから神出鬼没。

 

そんなサメに対して保安官の兄妹が立ち向かうのですが、

この兄がサメに対してなんらかの恨みがあるようなんですね。

「あんな騒動」とか「また」とか思わせぶりなことを口にし、

中盤で実は妻子をサメに襲われて亡くしていたことがわかります。

これはもしかして続編なのではないかと思ったのですが、

そんな作品は存在せず単に脚本が矛盾しているだけだったようです。

 

で、この手の映画ではお決まりのサメなんてへっちゃらだぜというお調子者が、

舞台となるホワイトサンドという島でフェスをやって地元にお金を落とそうと企むんですね。

もちろんサメが登場してパニックになるのもお約束です。

このパニックシーンがすごいんです。

どういうディレクションをしているのかわかりませんが、

とにかくでたらめに走らせるだけ。

パニックというよりも出演者が「え?どっちの方向に走るの?」と戸惑っている様子が伺えます。

さらに夕暮れのシーンのはずなのに、途中で明らかに光量が異なる真昼のシーンが挟まり、

死霊の盆踊り」の昼夜逆転シーンを思い出してしまいました。

 

また序盤に最初の犠牲者が出たシーンで謎の老人が、

「あいつは砂を泳ぐビーチ・シャークだ。俺が退治してやるから金を出せ」

といいますが残り10分になるまで完全放置。

「おい、あのじいさんどうしたんだよ」とずっと思いながら観てましたが、

ようやく登場すると「長年あいつを捕まえてきたんだ」という謎セリフ。

え?じゃあなんで今まで出没しなかったんですかね……。

ここでもまた脚本がおかしいですよカテジナさん。

 

IMDBには「地震によって海底深くで亀裂が発生し、そこから太古の肉食獣が云々」とあるのですが、

劇中ではそんなことまったくふれられていないので、

なんでそんなサメが発生したかなんて知ったこっちゃありません。

とにかく脚本がひどすぎますがその酷ささえ楽しんじゃえばいいんです。

 

オチもやっぱり案の定。

お約束ですよね。

 

でも変にイライラせず笑って楽しめるおバカ作品だと思います。

細かいことは考えず砂浜を泳ぎまわるサメを楽しみましょう。

 

ちなみにこの監督は「バトル・オブ・ロサンゼルス」の監督と知り、

ああ、なるほど……と納得してしまいました。

 

 

その他のレビュー済みダメ映画はこちらからどうぞ

作品情報

 

原題:Sand Sharks

制作:2011年、アメリカ、Rogue State

監督:Mark Atkins

主演:Eric Scott Woods

時間:86分

トレーラー: