恐怖!キノコ男
恐怖!キノコ男
謎の液体によって生まれた巨大キノコが人間に襲い掛かるモンスターホラー。あらゆる生物を凶暴化させる恐怖の液体を開発した科学者。静養のため郊外のペンションを訪れた彼は玄関で転んでしまい、バッグからこぼれた液体が白いキノコに流れ落ち…。
以前に中野ダンキチ氏のイベントで紹介されていたこの作品。
知ってから見るまでにかなりの時間を要してしまいました。
覚悟して観たのですが、84分という短い時間にもかかわらず、
途中何度も目眩や猛烈な眠気に襲われてしまいました。
そんな手ごわすぎる作品です。
- 想像のはるか斜め上を悠々と飛び越えていくアクションシーン
- 素晴らしすぎるキノコの造形
- 142ドルという低予算におさえたワスカバジ一族の涙ぐましい努力
ヒドイ。
想像以上の酷さでした。
たぶん、この作品を商業ルートに乗せてしまったことが最大の失敗だと思うんです。
おそらくこの作品って監督のデイブ・ワスカバジが、
ワスカバジ一族のファミリーパーティーの余興に作ったホームムービーだと思うんですよ。
だって、
監督:デイブ・ワスカバジ
エクゼクティブ・プロデューサー:メアリー・ワスカバジ
プロデューサー:デイブ・ワスカバジ
脚本:デイブ・ワスカバジ&メアリー・ワスカバジ
音楽:デイブ・ワスカバジ
主題歌:メアリー・ワスカバジ
撮影:デイブ・ワスカバジ
編集:デイブ・ワスカバジ
主演:デイブ・ワスカバジ
出演:メアリー・ワスカバジ
エドワード・ワスカバジ
ロレッタ・ワスカバジ
ワスカバジしかいません……。
出演者は他にもいるのですがワスカバジ多すぎです。
しかも、この作品の予算が聞いてびっくり。
IMDBでは推測で12,000ドルとありますが、
監督インタビューで142ドルと判明したとか。
え?マジで?人件費とか入ってるの?
ボランティア?
こんな予算ではクオリティなんて推して知るべし。
いまどき中学生でももっと良い物が撮れるだろうと思えるような、
それはそれはヒドい素晴らしい内容です。
とにかく素人が撮ったホームムービーなんです。
ライティングも音声も不安定。
カメラも手ブレが激しいです。
意味不明なカット割り、スローモーション、効果などが多く、
カメラについてる性能を全て試したがっている子供のようです。
何よりも画質がザラッザラ。
擦り切れたVHSのようです。
脚本も不自然なら演技も大根。
でも素人だと思えば仕方がないです。
本当にシーンとシーンのつなぎに意味がなく、
昼のシーンと夜のシーンがごっちゃにつながれているので、
時間の同一性連続性がまったくありません。
とりあえず撮った順につなげていってるのでしょう。
何が何やらさっぱりわかりません。
そんな中楽しませてくれるのがキノコの造形。
もうこれはみてもらうしかありません。
どうみても中に人が入ってます。
中の人などいないとは言わせません。
さらに襲ってくるキノコはこれだけではなくCGでも表現されてます。
これはひどい(確信
いつの時代の作品なんでしょうか?
でもこれはまだマシな方なんです。
解いのは30年前のPCゲームと言われても信じくらいの低クオリティです。
だって山の風景がこれですよ?
ひどい(断言
でも一番ひどかったのはコレかな。
キノコが死体を食らうシーン。
どうみても人形です……。
こんなキノコと戦うアクションシーンがこれまたすごいんです。
セリフがほとんどなく、ただ無言でゆっくり戦ってます。
今までのアクションシーンの概念を破壊するような斬新さです。
てっきり立ち位置を確認するリハーサルか何かかと思いましたよ。
これは新しい!
キノコの倒し方も斬新です。
バルサミコ酢~。
まさかバルサミコ酢が可燃性爆発物だとは知りませんでした。
おそらく見る人の映画という概念まで変えてしまうかもしれない怪作です。
その筋の方は是非チャレンジしてみてください。
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作品情報
原題:Fungicide
制作:2005年、アメリカ、Troubled Moon Films
監督:Dave Wascavage
主演:Dave Wascavage
時間:84分
トレーラー: