ダメ映画レビュー

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紀元前1億年

"『トランスモーファー』のスタッフが放つアクションアドベンチャーアメリカ海軍の研究所に召集されたピート大尉ら8人の兵士。彼らに下された任務は、タイムマシーンの実験で7,000万年前の世界に置き去りにされた21人の男女を救出することだった。"

前回の「紀元前1万年」が前菜だとするならば、メインディッシュとなるのがこちら。

 

いやー、ひどい映画でした。

もちろんほめ言葉ですよ?

 

 

そもそもこの作品、舞台設定に大きな謎があります。

トランスモーファー」同様に「100 Million BC」という原題からして、似たようなメジャー作品をパクリインスパイヤしたタイトルなのですが、タイムスリップするのは紀元前7000万年。

ちょ、おま、3000万年も開きがありますよ?

JAROにたれこんでもいいですか?

 

そのタリムスリップが起きてしまった原因というのがまたすごいです。

それはステルスの研究実験。

レーダーに映らない研究をしていたら時をかけてしまったでござるの巻ってヲイ!!!

 

しかもその事故ってのが1950年代のことなんですね。

それを60年以上経った今になって、壁画に残されたメッセージで場所を確定できたので、遅まきながら救出しにいくということになるのですが……。

ベリリウムに電磁気をかけたらタキオン場が発生してワームホールが云々…という最新の実験施設のある場所がどうみてもプレハブの廃工場です。

もっとそれっぽい場所を借りられなかったのでしょうか?

 

紀元前7000万年の世界がまたすごいです。

とにかく何から何までチャチ。

恐竜のCGもひどいです。

中には手ブレと極端な寄りで緊迫感を表現しているシーンも。

チャチな着ぐるみやCGを見せないようにそうしているのでしょうが、見ているほうが酔いそうになってきます。

 

その恐竜たちなのですが、助けに来た米軍の銃ではびくともしないのに、置き去りにされた人たちの槍や弓矢で簡単にやられます。

どんだけすごい槍なんでしょう。

 

途中からはボス的な大型恐竜が登場するのですが、山のように大きくなったと思ったら、4メーターくらいに縮んだりと、大きさがシーンによってバラバラで、まるで統一感がありません。

同じ形でいろんな大きさの恐竜がいるみたいに錯覚します。

 

後半は舞台を紀元前7000万年から現代に移し、隊員と一緒に現代にやってきてしまった恐竜を退治する話になります。

ただでさえ背景と合っていなかった恐竜が、ロスの街でさらにやばいことになっています。

まったくもって背景とフィットしていません。

その上翼竜でもないのに空まで飛んじゃいます。

 

もっとやばいのは街の風景。

恐竜が暴れまわっているにも関わらず、対応策を考える軍人の後ろを人々がフツーに散策しています。

特に人の流れを止めることなく路上ロケしたのでしょうが、画面に緊張感がなさ過ぎます。

 

結局最後までグダグダなまま進み、どうまとめるのかと思ったら思いっきりタイムパラドクスを発生させて、わけのわからないまま終わってしまいました。

何からツッコんだらいいかわからないほどの超展開です。

 

最後は実験を行った1950年代に戻るのですが、そのタイムゲートを閉じるため、2人が現代に残ることに。

だがここで大きな疑問点が。

これって前半で助けに行った博士が他のメンバーを現代に帰したときに、「俺しか使えないから」と言って紀元前の世界に留まることにしたんですよね。

他の人にも使えるのならば、警察か誰かその場にいた人に閉じてもらえばよかったのにと思います。

 

というよりも、セカイ系じゃないですが、軍とか警察とか大掛かりに動いているにもかかわらず、一部の人たちだけでゴチャゴチャやってて、他の人たちが見えてこないんですよね。

あれだけわーわーやっていた人たちはどこに行ったのか、主人公グループしか現場には見当たりません。

まぁ今更何を言っても始まりませんが。

 

個人的にはパラシュートもなしにヘリから飛び降りて、スタっと着地するシーンが、

地味ながらもツボでした。

 

 

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