ソーラー・ストライク セカンド・メルトダウン
西暦20XX年。ある小惑星が、地球に接近していた。危機を察知したアメリカ政府機関は、核爆弾による惑星爆破作戦を実施。だが作戦は裏目に出て、3つに 割れた惑星の1つが地球への衝突コースに乗ってしまう。激突寸前、軌道から外れた惑星は地球をかすめ、宇宙の彼方へ飛び去ってゆく。人々は胸をなでおろす が、本当の危機は始まったばかりだった。惑星の重力により地球の軌道が変化し、太陽に接近してしまい…。
以前にも書きましたが、この作品先行の「ソーラーストライク」とは全く関係のない別個の作品です。
当然ながらマイク・ダカスコスも出てきません。
ただ単に地球気温が上昇するという内容が似ているばっかりに、こういう紛らわしいタイトルになったようです。
その地球気温の上昇原因がなんとも素晴らしい。
それは、小惑星が大気圏にぶつかったため地球の軌道が内側にずれた
というもの。
どこから突っ込んだらよいものか、理解に苦しみます。
小惑星は地球に衝突したわけではなく、大気圏で弾むんです。
空気の層で弾むんです。
その程度の衝撃で簡単に地球の公転軌道はぶれてしまうようです。
また気温の上昇に南北半球の違いはないようです。
冬である南半球でも温度が北半球と同レベルまで上昇してしまうようです。
もう、なんというか、リア厨の俺設定を聞かされているようでした。
もちろんストーリー構成や演出だってグダグダです。
「ソーラー・ストライク」では、まがりなりにも気温の上昇を食い止めようと、主人公がいろいろと策を講じていましたが、
この作品では「対処する」ことよりも「逃げる」ことがメインとなり、その逃避行の中で家族の絆を結びなおすロードムービー仕立てになっています。
地球の危機に何一つ手立てすることなく逃げるだけです。
それでいてストーリーがありえないほどの穴だらけ。
次の展開がだいたい読めてしまいます。
何よりの問題点はリアリティが皆無なんですよね。
低予算のためモブシーンは資料映像に頼らざるを得ず、そのためディザスターパニックで大切な緊迫感に欠けてしまっています。
暴動や避難にごった返すシーンでも、引きだと群集が集まっているのに、いざ主人公達に寄ると、彼らしかいないような印象を受ける。
例えば主人公たちが北へ向かおうとするシーン。
渋滞の列に巻き込まれ身動きがとれなくなり、Uターンして抜け道を探そうとするのですが、
そのUターンのシーンでは周りに1台も車がない。
引きだとあれだけ込み合っていたのに。
燃料が過熱して車が爆発するシーンでは、教習所のような場所で撮ったのが丸分かり。
一番リアリティがないのが肝心の暑さについて。
摂氏40~60℃にまで気温が上昇するのですが、全くその暑さが伝わってこない。
そりゃそうですよ。帽子もかぶらずに炎天下を歩いて移動したり、灼熱状態のはずのマンホールのふたを平気で素手で触ったりしているんだもの。
そういった「気温が上昇したらどうなるか」ということもわからない、基礎学力の無さが目立つ作品でしたね。
極め付けがラスト。
Σ(゚Д゚;エーッ!
なんにもしないけど自然と軌道が元に戻っちゃいました(∀`*ゞ)テヘッ
こ れ は ひ ど い w
腹抱えて笑わさせていただきました。
これならマイク・ダカスコスが活躍する「ソーラー・ストライク」の方がまだましですね。
で、この「ソーラー・ストライク」シリーズ。
実は……
第3弾まで出ちゃってます。
( ´_ゝ`)(´<_` ) 流石だよなアルバトロス。
えぇ、もちろん「ソーラー・ストライク」とも「セカンド・メルトダウン」とも関係ありません。
今度はドイツです。みんな考えることは一緒なんですね。
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