ダ・ヴィンチ・ウォー
ダ・ヴィンチによって隠されテンプル騎士団が守護した、持つ者に永遠の命をもたらす“聖杯”を巡るナチスとアメリカ軍の争奪戦を描く戦争ミステリーアクション。兵士に聖杯の奪取を命じたアメリカ軍だったが、聖杯には人知を超えたパワーがあり…。
夏にレンタル落ちを980円かそこらで買ったものだったのですが、
この季節まで寝かせてしまったいた映画。
ようやくのことに観てみたのですが……
サイコー!!
これぞまさにダメ映画の傑作。
前回の「トレマーズ・ライジング」が酷すぎて一回りして面白い映画なら、こちらはさらに一回りして名作の域にまで達してしまった感があります。
自分の中ではジュラシック・ジョーズやマンモスに並ぶ、笑える名作Z級映画の評価を与えたくなるほどです。
まさにシベ超クラスのダメ映画。
まず、舞台設定からぶっ飛んでます。
1944年の東欧が舞台なのですが、なぜか米軍が展開しています。
一般的な歴史では、米軍はノルマンディ上陸作戦から東へ進軍し、エルベ川で西進してきたソ連軍と邂逅したはずなのですが、どうやらパラレル世界の歴史を覗いてしまったようです。
さらにナチスドイツはロンギヌスの槍を所持し、聖杯まで隠し持っていることになっています。
どうみても自分の知っている第二次大戦とは様子が違います。
それから、安っぽい小道具、セット、なにからなにまでチープです。
ドイツ軍の戦車は模型丸出しですし、銃撃戦も発射光までCGで火薬一つ使わない超低予算。
おかげでSEのタイミングがずれて、撃ってないのに銃声がしたりとやっつけ感が漂います。
もちろん役者の演技も素人丸出し。
まるで緊迫感がありません。
肝心のストーリーは、回想で状況を説明する倒叙法の構成なのですが、30分以上後の回想シーンの状況を受けての会話など、時間軸がバラバラなので脳内補完をしなければならず、なんとか頑張って頭の中で整理しても、結局破綻しているのでどうにもなりません。
そもそも、冒頭でテンプル騎士団や聖杯について説明があるのですが、劇中では一切そんなものは出てきません。
タイトル倒れにもほどがあります。
襲ってくる亡霊が何か関係あるのかと思いきや、突然「ダビンチの呪い」などと世迷言を言い出しす始末。
その退治法も○○○で○○○○というあっけない方法。
なら最初からやれよと言いたくなります。
なにからなにまでがダメ。
まさにダメの極地を体現する映画です。
でも、そこが笑えるのがまだ救い。
世の中には笑えないダメ映画も多いですから。
これはぜひみんなで見て全員でぐったりしたいなぁ。
それくらい面白いダメ映画でしたね。
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