トレマーズ・ライジング
特殊効果の魔術師フィリップ・ロベールが手掛けた、ディザスターパニック×モンスターパニック!若者たちは森の中にあるナイトクラブに向かっていた。その途中、失踪などの噂が絶えない場所にさしかかった時、何かとてつもない力によって車が道から外れ、崖から真っ逆さまに。車に残された若者は奇跡的に命を取り留め脱出したが、車はみるみる地面の中に吸い込まれ…。
なかなか面白い映画でしたよ。
もちろんダメ映画的にの話ですが。
本家取りの「トレマーズ」を知らないのでこういう感想なのかもしれませんが、あまりにもストーリーが荒唐無稽の穴だらけでありえなさすぎて、逆に一周回って楽しく観ることができましたね。
この映画、一応はモンスター・パニックものなのですが、前半は脱獄したサイコパスが登場してサスペンスタッチになっています。
そのためなんというか、どっちで話を持っていくのか方向性が見えにくいんですよね。
それでいてなかなか面白かったりするから、このままモンスターをネタにしたサスペンスもので行っちゃえばいいのにとも思えてきます。
前半モンスターはほとんど姿を現しませんし。
(後半も土の中から触手うねらせるくらいで、全体像はラストでしか見られません)
また、深夜が舞台なので画面が非常に暗いんですよね。
細かい動きとか何をしているのかさっぱりわからない。
それでいて森の中のシーンではやけにライティングが明るかったり。
画面に一貫性がないんですよね。
なによりも酷いなと思ったのが、「車の墓場」のシーン。
モンスターが獲物ごと引きずり込んだ車が、森の中の開けた場所に累々とした人骨とともに並んでいるのですが、ちゃんと星空が見え、幹線道路からも近いところなのに、なぜ誰も知らないのかと。
グーグルマップで一目瞭然だと思うのですが。
脱獄囚を捜索する警察のヘリも上空を飛んでいるのに、さっぱり気がつかない。
それはねーだろと。
地底なら地底に引きずり込む、地上なら誰の目にもつかない場所で暴れさせないと、なんで今まで誰も存在に気がつかなかったの?という素朴な疑問が生じるのは当然。
物語の鍵になると思われた光る幽霊も、結局わからずじまいでしたし。
おそらくは17世紀に宇宙からモンスターが隕石とともにやってきたとき、最初に犠牲になった女の人なんだろうとは思いますが、何をしたいのか(幽霊も、幽霊を配した監督も)がさっぱり。
もっと全体的に構成を練ろうよと言いたくなります。
だからこそ一周回って面白くもあるのですが。
そしてラスト。
「シティ・オブ・ザ・デッド」にも通じる終わり方には、本当にびっくりしてしまいました。モンスター隕石大量飛来で人類ヲワタ。
ダメ映画って似るものなのね。
なんというかツッコミどころをメモするのも忘れ、「ねーよwww」「不自然すぎwww」など楽しんでしまいました。
もっといろいろ書けるネタ・ツッコミどころがあったはずなんだけど……
それとフランス語だと字幕以外の部分の補完が全くできねーよ。
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トレーラー。