ダメ映画レビュー

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シティ・オブ・ザ・デッド

ゾンビ化したホームレスが、抗争中のギャングを襲うホラーアクション。世界一危険なエリア・サウスセントラル。その地を牛耳る2大ギャングが今まさに雌雄を決しようとしていたその時、謎の隕石が落下。被爆した浮浪者たちが次々とゾンビ化し…。

はい。今は無き(GAGA収益悪化のあおりで休止中)G-COREの作品です。

見ようと見ようと思ってはいたのですが、長いこと塩漬けにしてしまっていました。

 

 

G-CORE作品というだけでわかるとおり、一般の方には、自信をもって「お薦めしません!」と言いきれる映画。

 

緑色の謎の物質が付着した隕石が、神の奇跡を祈るホームレスの集団にドーンと落っこちて、それに潰されたホームレスが緑色の液体を垂れ流すゾンビになって街を襲うのですが、とにかく画に広がりが感じられません。

その場その場を切り取ったシーンをつないだだけで全体像がつかみにくく、位置関係とかがわかりにくいことこの上ありません。

それでいてスプラッタな表現には変に力を入れていたり、いろいろと間違っています。

 

中盤からはギャングと警察が倉庫に篭城し、倉庫内のシーンが大半になるのですが、ライティングも不慣れなのかシーンによって光量が一定ではなく、何が起こっているかわからないほど暗かったり、逆に白飛びを起こしていたりストーリー以前の段階で見るものの気力を削いできます。

編集ももちろん不自然で、前後のつながりで矛盾していたりと素人くささが漂います。

 

ストーリーもストーリーでグダグダ。

そもそも隕石の落下に誰も気がつかず、クレーター一つ発生しないという段階で、いくら低予算とはいえどうなのかと。

またゾンビに噛まれた人がゾンビに感染するのはわかるのですが、それにしても最初多く見積もっても20人ほどだったゾンビが、爆発的な勢いで増殖しています。

物語の中でもただ噛まれる人はごくわずかで、ほとんどの人間はゾンビになる暇もなく骨の髄まで貪り食われます。

にも関わらずゾンビ、増えすぎです。

そしてそのほとんどのゾンビがなぜか、ギャングらが立てこもる倉庫へやってきます。

もちろんなぜかはわかりません。

 

立てこもった方も、これはこれでひどすぎます。

まず「ギャング」ではなくどう見てもチンピラ少年団。

これが白人と黒人双方のグループが登場するのですが、黒人グループの方はちょっと粋がっているだけで、ワルには見えません。

しかも別に「牛耳」っても、「雌雄を決しよう」ともしていません。

何かの売人に手玉に取られてます。

この自称「ギャング」、セリフと行動がバラバラでイミフすぎます。

しかもゾンビにやられるよりも仲間割れで死んでいきます。

助け合いの精神など皆無です。

ラストはお約束の大爆発。

倉庫全体を手榴弾で吹き飛ばすのですが、なぜか都合よく2人だけ無傷で生き残ります。

もちろんなぜかはわかりません。

わからないことだらけです。

 

そして生き残った2人が目にしたものは…

空から無数に降り注ぐ隕石の流星雨でした。人類オワタ。

そういうオチでしたか。

 

80分ちょっとと短いので、時間を無駄にしても構わないという猛者は、

こわいもの見たさで見てみるのも良いかも。

お勧めはしませんが。

 

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