ダメ映画レビュー

愛すべきダメ映画のレビューを書いてます

ダイナソーフィールド

巨大生物が人間を襲いまくるモンスター・パニック!山学者のスコットは、教え子のライアンと共に、火山調査のためハワイを訪れていた。一方、研究者のキムとハンターのジェイクは突然変異が起こした前史時代の巨大生物を追っていた。さらに、火山活動が活発化しはじめ、噴火の兆しが見えはじめる。この危機的状況の中、魔の手は容赦なくスコットたちにも襲いかかる!果たして彼らの運命は?

この作品はAmazonマーケットプレイスにて、レンタル落ちが1円で投売りされていたのを思わず買ってしまったもの。

結論から申しますと、伊達に1円で投売りされてはいないな、と。

その売値は大正解でございます。

 

ジャケットには大きく、「暴虐恐竜×大火砕流=人類絶滅の危機!」などと煽り文句がありますが、実際のところ人類絶滅どころか襲われるのは水着のお姉ちゃんがほとんど。

それも脈略なく登場し、逃げ惑うTバックを舐めるようなローアングルからなど、それ目当てに撮っているのが見え見えです。

そもそも、火山の爆発などありませんし、火砕流ももちろんありません。

あるのは噴煙と火山性地震だけ。一種の噴く噴く詐欺です。

 

肝心の恐竜のCGも予想通りのお粗末っぷり。

何もない背景でロングのシーンならまだ何とかなりますが、アップになると目も当てられません。

人間を襲うシーンも、この手の低予算モンスターパニックにありがちな、何が映っているのかわからないほどのアップの連続で、見ていると目が疲れてきそうです。

もちろん映るのは恐竜のアップ、人間のアップが交互で、両者が同じカットでアップに映るのはほとんどありません。

おそらくまっとうな合成が出来ないと見て、はなから放棄したのでしょう。

 

ストーリーも演出も驚くほど酷すぎて、かえって私のようなZ級マニアにはたまりません。

緊迫感も整合性もゼロ!

カットの向こうにあるはずの世界の広がりが見えないんですよね。

登場人物にはカットで切り取られた世界しか見えておらず、その立ち位置ならばカットの外に見えているはずのものが、カットが切り替わるまで見えていない気づいていない。

そんなシーンが何度も出てきます。

まぁ、この手の映画にはありがちといえばありがちなのですが。

 

極めつけはクライマックスで恐竜がホテルの人々を襲うシーン。

これは実際に映像で見ていただきたいのですが、それこそ映画草創期の作品かと思うほど、幼稚な演出には笑う以外にありません。

いまどき子供向けの特撮やアニメでも、こんなリアリティのないパニックシーンはありませんよ。

怒るどころか脱力すること必至です。

 

そして見ているものをあっと言わせるほど、あっけなさ過ぎる終わり方。

「あ、やべ火山忘れた」と言わんばかりの謎の噴火シーンで終わるなど、最後までグダグダです。

Z級に慣れていないとかなり体力を奪われると思いますので、万が一見てみたいと思われた場合にはご注意ください。

 

で、この作品。

主演の火山学者がどこかで見たことあるなぁと思ったら、「人間消失」シリーズや、「宇宙戦争2008」に出演していた人だったんですね。

ってZ級御用達ですか、そうですか。

それとエンディングロールを見て驚いたのが、DNA技術で恐竜を再生した女性科学者。

なんと、「トップガン」や「告発の行方」に出演していたケリー・マクギリスじゃないですか!

これには本当に驚きました。

私にとってケリー・マクギリスって性の目覚めというかなんというか、そういう存在だったんですよね。

ちょうどトップガンを見たのが中一の頃でしたか。

いや、そんなことはさておいて何が驚いたかというと、まず、こんなZ級映画にビッグネームが出演していること。

だって他の出演者なんて主役以外Z級映画ですらお目にかかったことがないような、十派一絡げ役者ばかりですよ?

そして、現在(正確には撮影当時のですが)のケリーの姿にびっくり。

神経質な初老女性を演じるその姿に往時の面影はなし。

そりゃ気がつかないわけだ。

いやぁ、時の流れって本当に残酷なんですね。

 

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