メガ・パイソンVSギガント・ゲイター
巨大パイソンとアリゲイターが人類を恐怖に陥れるモンスターパニック。テリーが保護官を務める公園で、ワニが巨大ヘビに食い殺される事件が発生。さらにテリーの婚約者までもがその犠牲となり、テリーはワニを巨大化させてヘビと戦わせようとするが…。
貫禄のアサイラム作品です。いつにもましてドイヒーな出来になっております。
CG?ひっどいよー。
移動?動くのは背景だけでスピード感なんて皆無だよ。
同じシーンを繰り返し使って尺を稼いでいるよ。
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そもそもの発端となるのが、ワニ大好きなパークレンジャーと、ヘビ大好きな過激派エコロジストのいがみあい。
どちらもヒステリックに自己の正当性を喧伝し、「ワニを守るべき」「ヘビを守るべき」と言い合います。
まぁ、最初にヘビを勝手に公園に放った過激派が悪いのですが。
そのヘビがなぜか巨大化。
人を襲うようになったので、今度はワニに薬剤を投与して巨大化。
そのワニを食べたヘビが、さらに巨大化……と無限ループでとてつもない大きさになってしまいます。
そんなバナナ。
余談ですがこの2人のいがみ合い、実は分かる人にはわかる内輪ネタでもあったようです。
というのも、パークレンジャーのテリーを演じているティファニーと、環境テロリストのニッキーを演じているデボラ・ギブソンは、80年代後半にお互い10代ながらビルボード1位を争ったシンガーだったのだとか。(歌手としてはデビー・ギブソン名義)
年齢も近い2人は周りからライバルと目されていたとかで、それがこの作品の設定にも活かされているようです。
また、ティファニーは「メガピラニア」に、デボラは「メガ・シャークVSジャイアント・オクトパス」に、それぞれ出演していたのがこの作品で共演するきっかけになったとか。
どちらもすごく……Z級です……。
それにしても40前後のババア2人が露出の多い服を着るのは、ちょっと……。
もう若くはないんだからさぁ。
とくにティファニーはふくよかを通り越した体格なだけに……。
そんな2人はヘビとワニが襲ってきて住民が大パニックになっても、そっちのけで取っ組み合いの大げんか。
なんというか……うん、勘弁して欲しいです。
オチも強烈。
あー、そうなりますか……自業自得ですなぁ。
まだまだ他にも山ほどツッコミどころはあります。
途中で半年ほど時間が経過するのですが、
その間巨大化したワニもヘビも発見されず被害もなかったのに、人が集まるパーティーが始まった途端にあちらこちらで大騒ぎに。
パニックシーンでは空間の同一性が守られてないので、位置関係がさっぱりわからずどこをどう逃げているのか、画面からまったく伝わって来ません。
自然公園、下町の路地、大都会、採石場……およそ隣り合っていないような地域が入れ代わり立ち代わり登場し、異次元にさまよいこんだのかと思ってしまうほどです。
かなり強烈な作品なのでマニアにしかおすすめできません。
ですが、その筋の方ならきっと喜んでいただける作品だと思います。
あ、個人的にはヘビに叩き落される飛行船に「Asylum」と書いてあったのにニヤリとしてしまいました。
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タイトルは似てますが本作とは関係ありません。
作品情報
原題:Mega Python vs. Gatoroid(IMDB、アルバトロス・フィルム、Asylum)
制作:2011年、アメリカ、Asylum
監督:Mary Lambert
時間:91分
トレーラー: